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高齢者もデジタル活用が必要です?

 超高齢社会のまっただ中にある2026年現在、高齢者がデジタル技術を活用することは、単なる「便利さ」を超え、生活の質(QOL)の維持や健康寿命の延伸に欠かせない「生命線」となっています。

 しかし、新しい技術に触れる際には不安や戸惑いがつきものです。そこで、心理学的な目標達成モデルであるTOTE形式を用いて、高齢者がデジタル技術を無理なく、かつ効果的に生活に取り入れるためのプロセスを具体的に解説します。


 TOTEモデルで進めるデジタル活用ロードマップ

TOTEモデルとは、Test(テスト)・Operate(操作)・Test(テスト)・Exit(終了)の頭文字をとったもので、目標と現状の「ズレ」を修正しながらゴールを目指すサイクルです。


1. 【Test:現状の把握と目標設定】

まずは、「何に困っているか」「どうなりたいか」という理想と現状を照らし合わせます。

  • 現状のチェック  「遠くに住む孫の顔が見られない」「買い物や病院の予約が億劫」「地域の情報が回ってくるのが遅い」といった不便さを書き出します。

  • 理想の設定  「ビデオ通話で毎日孫と話す」「スマホで診察予約をして待ち時間を減らす」「健康管理アプリで歩数を記録する」など、具体的でワクワクする目標を立てます。

  • ギャップの認識  この「やりたいこと」と「今できないこと」の差を確認するのが、最初のTestです。


2. 【Operate:具体的なアクション】

設定した目標を埋めるために、実際にデジタル技術を操作・活用します。

  • コミュニケーションの活性化  LINEやZoomなどのアプリを導入します。文字だけでなく、スタンプや写真、ビデオ通話を使うことで、孤独感を解消し、脳への適度な刺激を与えます。

  • 健康と安全の管理  ウェアラブル端末やスマホの歩数計を活用します。心拍数や睡眠の質を可視化することで、自身の体調変化にいち早く気づけるようになります。また、センサーによる「見守りサービス」は、離れて暮らす家族の安心にもつながります。

  • 生活の効率化  オンラインショッピングやネットバンキング、マイナポータルによる行政手続きを利用します。移動の負担を減らし、時間を有効に使えるようになります。


3. 【Test:効果の検証と修正】

操作をしてみた結果、最初に掲げた目標に近づいたかを再確認します。

  • 「できた」の確認  「孫の笑顔が見られた!」「昨日は8000歩歩けた!」という成功体験を噛みしめます。

  • 「課題」の抽出  「画面の文字が小さくて読みにくい」「操作が複雑で途中でわからなくなった」といった問題点を見つけます。

  • 軌道修正(フィードバック)  課題が見つかれば、再度「Operate(操作)」に戻ります。スマートフォンの設定で文字を大きくする、自治体の「デジタル活用支援員」やスマホ教室に相談する、といった改善行動をとります。この「試行錯誤」こそが、習得への近道です。


4. 【Exit:日常への定着】

目標が達成され、デジタル技術が「特別な道具」から「当たり前の生活の一部」になった状態です。

  • 習慣化 努力せずにスマホを開き、必要な情報を得たり交流したりできるようになります。

  • 新たなステージへ  一つの目標をクリアしたら、次は「オンラインで趣味のサークルに参加する」「SNSで地域の情報を発信する」など、新しいTOTEサイクルをスタートさせます。


 高齢者がデジタルを活用する3つの大きなメリット

TOTEサイクルを回すことで、以下のような具体的な恩恵が得られます。

分野

具体的なメリット

社会的つながり

社会的孤立を防ぎ、うつ病のリスクを軽減する。多世代との交流が若々しさを保つ。

身体・精神健康

認知症予防(脳トレ)、生活習慣病の管理。緊急時の迅速な通報が可能。

生活の利便性

買い物難民対策、行政手続きの自宅完結。キャッシュレス決済による利便性。

 まとめ:デジタルは「自分らしく生きるため」の杖

 デジタル技術は、高齢者から何かを奪うものではなく、加齢による身体的・環境的な制約を補い、「やりたいこと」を広げてくれる「現代の杖」です。

 大切なのは、最初から完璧を目指さないことです。TOTEモデルのように、「やってみて、ダメなら直す」という気楽な姿勢で、まずは身近な一台のスマートフォンから新しい世界を覗いてみてください。


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