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熟年離婚の問題点を考える

更新日:2025年12月30日

人生100年時代と言われる今、長年連れ添った夫婦が65歳を過ぎてから別々の道を歩む「熟年離婚」が増えています。

「定年退職したら、やっと自由になれると思ったのに……」

「これからの人生、妻(夫)と二人きりで過ごすのが苦痛で仕方がない」

そんな声が聞こえてきそうですが、勢いだけで離婚に踏み切るのは非常に危険です。特に高齢になってからの離婚は、現役世代の離婚とは異なる「特有のリスク」が潜んでいるからです。

 今回は、65歳以上の夫婦が直面する熟年離婚のリアルな課題と、後悔しないための具体的な対応策について、ブログ形式で分かりやすく解説します。


1. 熟年離婚の現実は甘くない? 直面する「3つの壁」

長年の不満から解放されたい一心で離婚を急ぐと、その後に待っている厳しい現実に打ちのめされることがあります。まずは、熟年離婚が抱える「3つの壁」を知っておきましょう。


① 経済的困窮(特に女性)

 これが最大の問題です。「年金分割があるから大丈夫」と思っていませんか?

日本の年金制度における「年金分割」は、あくまで厚生年金の「報酬比例部分」のみが対象です。基礎年金(国民年金)は分割されません。

   実際に分割してみると、月額にして数万円程度しか増えないケースも多く、これだけで生活を維持するのは困難です。特に専業主婦期間が長かった女性の場合、単身での貧困リスクが跳ね上がります。


② 住居の確保の難しさ

 自宅を売却して財産分与した場合、新たな住まいが必要です。しかし、高齢単身者への賃貸住宅の貸し渋りは、社会問題化しています。「保証人がいない」「孤独死のリスクがある」などの理由で、入居審査に通らないケースが少なくありません。


③ 社会的孤立と健康リスク(特に男性)

 女性は地域コミュニティや友人関係を持っていることが多いですが、会社人間だった男性は、家庭と職場の往復だけで人間関係が完結している場合が多いです。

 離婚によって家族を失うと、一気に「社会的孤立」に陥ります。会話がなくなり、食生活が乱れ、認知症や孤独死のリスクが急激に高まるのは、実は男性の方が多いのです。


2. なぜ今? 熟年離婚の引き金となる「定年」

なぜ65歳前後で離婚の危機が訪れるのでしょうか。

最大の要因は、夫の定年退職です。

  • 「濡れ落ち葉」族の夫: 仕事がなくなり、一日中家にいて「おい、飯はまだか」と妻に依存する。妻は「在宅ストレス症候群」になり、限界を迎える。

  • 価値観のズレの顕在化: 子育てや仕事という「共通の目標」がなくなり、お互いの趣味や生活リズムの違いが浮き彫りになる。

  • 介護への不安: 「このままでは、夫(妻)の介護だけで私の人生が終わってしまう」という恐怖。

※これらが積み重なり、「残りの人生くらい、自分のために生きたい」という思いが爆発するのです。


3. 後悔しないための「具体的対応策」

では、どうすればよいのでしょうか? 離婚を回避するにせよ、決行するにせよ、以下のステップを踏むことが不可欠です。


対策①:徹底的な「お金のシミュレーション」

感情で動く前に、電卓を叩いてください。

  • 年金見込額の確認: 年金事務所に行き、「離婚した場合の年金分割見込額」を算出してもらいましょう。

  • 財産分与の洗い出し: 預貯金だけでなく、自宅不動産、退職金、へそくり、保険の解約返戻金など、夫婦で築いた財産をすべてリスト化します。

  • 生活費の試算: 家賃、光熱費、医療費など、一人暮らしにかかるコストを厳しく見積もります。

※ここでのポイントは、「離婚後の生活水準が確実に下がることを覚悟できるか」です。


対策②:新しい選択肢「卒婚(そつこん)」

離婚は、戸籍を抜くため相続権も失いますし、親戚付き合いも断絶します。そこで提案したいのが「卒婚」です。

  • 形: 籍は入れたまま、お互いに干渉せず、別居したり、家庭内で生活動線を分けたりするスタイル。

  • メリット: 経済的なつながり(遺族年金や相続権)を維持しつつ、精神的な自由を手に入れられます。「いいとこ取り」の折衷案として、近年非常に注目されています。


対策③:適度な距離感を保つ「家庭内ルールの再構築」

もし同居を続けるなら、シェアハウスの住人のような感覚でルールを決めましょう。

  • 「昼食は各自で用意する」

  • 「お互いの趣味や外出には口出ししない」

  • 「家事は分担制にする(夫も料理教室に通うなど)」

※夫側は、自立した生活能力(特に料理と掃除)を身につけることが、妻を引き留める最大の防御策であり、もし一人になった時の命綱になります


まとめ:残りの人生を「誰と、どう笑って過ごすか」

65歳からの離婚は、単なる「別れ」ではなく、「老後の生存戦略」そのものです。

「もう我慢できない!」と飛び出す前に、まずは一度立ち止まり、お金と住まいの計算をしてみてください。そして、「離婚」というハードランディング(強行着陸)だけでなく、「卒婚」や「別居」というソフトランディング(軟着陸)の可能性も探ってみてください。

   大切なのは、世間体や意地ではなく、あなた自身の心身の健康と、穏やかな日常です。

人生100年時代。残りの30年を、ため息をついて過ごすか、笑顔で過ごすか。その選択権はあなたが持っています。


【次のステップ】

もし具体的な年金額や財産分与について不安がある場合は、一度お近くの年金事務所へ「年金分割のための情報提供請求書」を提出してみるか、専門家やファイナンシャルプランナーに老後資金のシミュレーションを依頼してみませんか? 現実的な数字を見ることで、冷静な判断ができるようになりますよ。

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